こんにちは。院長の宇都宮 大貴です。全国的にもインフルエンザが流行中ですね。外出時のマスク着用、手洗い・うがいをお忘れなく。
今回は「長引く咳」についてです。
何週間も、何カ月も咳が続く、咳止めを飲んでいる、長びく頑固な咳に悩んでいませんか?
<遷延性・慢性咳嗽(咳を咳嗽「ガイソウ」と表記)の定義と原因>
急性咳嗽 3 週間以内の継続→(感染症、湿性咳嗽が多い)
遷延性咳嗽 3 週間以上続く咳
慢性咳嗽 8 週間以上続く咳→(アレルギー性、乾性咳嗽が多い)
遷延性・慢性咳嗽の原因として考えられるのは、
1.感染後咳嗽
2.アレルギーによる咳嗽:咳喘息・アトピー咳嗽
3.逆流性食道炎/GERD(胃食道逆流症)による咳嗽
4.肺気腫/COPD(慢性閉塞性肺疾患)による咳嗽
その他:耳鼻科的疾患、薬の副作用 などです。
🔷感染後咳嗽」
ポイントは、かぜ症状が先行し、自然軽快傾向がある場合💡
原因微生物が既に除去されているにもかかわらず咳嗽が続く状態で、患者様は『風邪は治ったけど、咳が長引いています。』
と表現されます。
咳嗽のピークが過ぎていれば問題ないのですが、悪化するとか微熱が続く場合は、胸部レントゲン撮影やマイコプラズマ・肺炎クラミジア・百日咳菌の検査をします。
🔶咳喘息・アトピー咳嗽
『かぜは治ったはずなのに、咳がちっとも治まらない。』あるいは、『かぜは引いていないのに、咳だけがずっと続いている。』こんな場合は、アレルギー性咳嗽(咳喘息・アトピー性咳嗽)
かもしれません。ポイントは、日によって調子が良い・悪いがある、タバコの煙・ほこりを吸うと悪化する、季節性がある、温度差・夜間・起床時に悪化する、長時間の会話で咳出現、等の特徴がある。
上気道粘膜に炎症が続いている状態と考えられます。喘鳴や呼吸困難がない点で気管支喘息と区別します。しかし、咳喘息の場合は放置していると気管支喘息に移行する危険性がありますので注意が必要です。治療は、まず第一にステロイド吸入薬を使うことです。必要に応じて気管支拡張薬や経口ステロイド薬も使います。ステロイド薬と聞いただけで不安を感じる方がいますが、医師の指示通りに正しく使用すれば、炎症を抑える力を十分に発揮する薬です。特に吸入ステロイド薬は気道だけに作用するので、長期間使用しても安心です。
🔹逆流性食道炎」/GERD(胃食道逆流症)による咳嗽
ポイントは、食事中や食後に咳が出やすいことです。
気道ではなく食道に炎症がある状態で、治療は胃酸を抑える薬を使います。コーヒー、甘い菓子類を控える指導をします。治りにくい逆流性食道炎には、内視鏡検査で食道がんが無いかを確認すべきです。
🔶肺気腫」/COPD(慢性閉塞性肺疾患)による咳嗽
ポイントは、喫煙者に多く、労作時息切れを伴うことです。
痰のからむ咳:湿性咳嗽のことが多く、治療はCOPDを悪化させないために、まず禁煙です。吸入薬も使います。肺炎の予防目的で、予防接種(インフルエンザ・肺炎球菌)を受けましょう。
その他
アレルギー性鼻炎あるいは慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に伴う後鼻漏による咳嗽、降圧剤等の薬の副作用による咳嗽などがあります。
*咳でお悩みの方、お気軽にお越しください*
宇都宮内科クリニック(西予市宇和町卯之町3丁目309)
📞0894-62-7788