こんにちは。院長の宇都宮 大貴です。宇和町内でもインフルエンザの発生が増えているこの頃ですが、皆様体調など崩されておりませんか?外出時のマスク着用、手洗い・うがいをしっかりして予防をしましょう!今回は、「大腸がん」についてお話させていただきます。
◆大腸がんは最もありふれたがんで、年々増加している!
大腸がんと新たに診断される人は、1年間に10万人あたり103人で、食生活の欧米化やライフスタイルの変化と共に年々増加しています。年齢別にみた罹患率は、40歳代から増加し始め、50歳代で加速され、高齢になるほど高くなります。罹患率の男女比は、男性では1年間に10万人あたり121人、女性では86.4人とやや男性に多い傾向にあります。男性では胃がん、肺がんに次いで3番目、女性では乳がんに次いで2番目に多いがんです。死因としては男性では肺がん、胃がんに次いで3番目、女性では1番目です。
◇どんな症状が起きるの?
早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多くなります。症状としては、血便(便に血が混じる)、下血(腸からの出血により赤または赤黒い便が出る、便の表面に血液が付着する)、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などがあります。
最も頻度が高い血便、下血は痔(じ)などの良性の病気でもみられるため、そのままにしておくとがんが進行してから見つかることがあります。大腸がんの早期発見のために早めに検便、大腸カメラを受ける事が大切です。
がんが進行すると、慢性的な出血による貧血や、腸が狭くなる(狭窄する)ことによる便秘や下痢、おなかが張るなどの症状が出ることがあります。さらに進行すると腸閉塞(ちょうへいそく:イレウス)となり、便は出なくなり、腹痛、嘔吐(おうと)などの症状が出ます。大腸がんの転移が、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅう)として先に発見されることもあります。
◆予防できるの?
日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスのよい食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的といわれています。
大腸がんを予防するには、食物繊維を含む食品の摂取が効果的であることがわかっています。結腸がんの予防には、運動も効果的です。しかしながら、胃がんにおけるピロリ菌のように明確な原因はなく、完全に予防することは不可能です。そのため、検便や大腸カメラによる早期発見が大切です。
◇大腸がん検診を忘れずに!
男女ともに、40歳以上は年に1回、大腸がん検診を受けましょう!ほとんどの市町村では、検診費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担で受けることができます。
検診の内容は、問診と便潜血検査です。問診では、自覚症状や既往歴、家族の病歴などを確認します。問診は、検診の対象として適切か、診療の対象ではないかの判断に用いる参考情報です。便潜血検査では、大腸がんやポリープなどによる出血が便に混じっていないかを調べます。
◆便潜血で引っかかったら、大腸カメラで精密検査を!
検査の結果が「要精検」となった場合は、かならず精密検査を受けましょう!精密検査では通常大腸内視鏡検査を行います。
がんは1回の検診で見つからないこともありますので、毎年定期的に受診してください。
また、検診と検診の間に発生して、急速に進行するがんもわずかながらあります。血便、腹痛、便の性状や回数の変化など、気になる症状が続く場合は、次の検診を待たずに医療機関を受診してください。
◇便潜血で引っかかったとしても大丈夫?
便潜血は20人に1人程度ひっかかりますが、ひっかかった人の中で実際に大腸カメラでがんが見つかるのは50人に1人程度ですので、引っかかっただけで過度に心配する必要はありません。
◆便潜血で引っかからなかったら大丈夫?
大腸カメラで見つかる早期大腸がんの3~4割、進行大腸がんの1~2割は便潜血で異常がない(便潜血陰性)と判断されます。便潜血は安全、簡単、安価な検査ですが、正確性は十分でありません。大腸がんがご心配な方で確実に調べてほしい方は大腸カメラをおすすめします。
◇大腸カメラを受けた方が良い人とは・・・
大腸がんが無いか正確に調べてほしい人、消化器症状(血便、下痢や便秘が続く、便が細い、お腹が張る、腹痛が続く)がある人、原因不明の貧血がある人、体重減少がある人は大腸カメラを受ける事をおすすめします。
※当院では便潜血検査や大腸内視鏡検査もおこなっております。お気軽にご相談ください☺
(宇都宮内科クリニック📞0984-62-7788)