皆さん、こんにちは。院長の宇都宮 大貴です。いかがお過ごしでしょうか?
今日は「足のむくみ」についてのお話です。
<むくみやすい人の特徴>
a、座り仕事をしている人
ふくらはぎの筋肉は「筋肉ポンプ」として血液やリンパを流していますが、座り仕事が多い人はこのポンプが働かなくなって、足がむくみます。
b、 立ち仕事をしている人
筋肉が過剰に使われ過ぎると、筋肉が硬くなって、リンパの流れが悪くなり、足がむくみます。
<むくみのメカニズム>
心臓から出た大動脈は段々と枝分かれし、毛細血管と呼ばれる細い血管となって体中の細胞に酸素や栄養を送ります。この血管にも血圧がかかっています(静水圧と呼びます)ので、血管の中の水分が外に滲み出ようとします。
しかし、これとは反対に血管の中にはたくさんのタンパク質があって、浸透圧の作用によって血管の中に水分をとどめようとします。健康な場合はこの力が等しい(静水圧=浸透圧)ために、むくみは生じませんが、このバランスが崩れるとむくみが生じます。
基本的に健康な状態ではむくみは生じません。むくみは軽度なものから重度なものまでありますが、何かしらの原因があるからむくむのです。
<むくみの原因>
a、 血管内の静水圧が上昇した場合
血管内の水分量が増えすぎた時、あるいは静脈がどこかでせき止められたとに血管からしみだす水分量が増え、足がむくみます。
例)水分や塩分の過剰摂取
心不全により心臓ポンプ機能が低下し、血液をうまく巡回できない
腎不全により、腎臓が尿としてうまく水分を排泄できない
下肢静脈瘤により下肢の静脈に水分がたまりやすい
b、 浸透圧が低下した場合
栄養不足により血管内のタンパクが低下すると、浸透圧が低下し、水分を血管内に保っておくことが難しくなり、足がむくみます。
例)栄養不良
ネフローゼ症候群により腎臓からタンパク(主にアルブミン)が漏れてしまう
肝硬変で肝臓でのタンパク(主にアルブミン)合成が低下している
c、 血管透過性が低下した場合
血管透過性とは血管と血管外の物質の出入りのことです。血管自体が血液を保っておくことが難しくなり、血液中の水分が漏れ出て、足がむくみます
例)膠原病(リウマチ関連疾患)
甲状腺疾患
d、 リンパ管のうっ滞、閉塞がある場合
例)長時間の立ち仕事や長距離歩行の後に筋肉が緊張して、リンパ流が停滞
リンパ節郭清を伴う手術を行い、リンパ流が停滞
e、 長時間同じ姿勢でいる場合
重力の関係で水分が足にたまり、足がむくみます
💡病院を受診した方が良い場合🏥
・ 夕方だけでなく、朝方起床時にも足がむくむ場合
・顔やまぶたまでむくむ場合
・片方の足、もしくは手全体がむくんで改善しない場合
・息切れを伴う場合
たかがむくみと思っていても、重大な病気が原因となっている場合もあります。
むくみでお悩みの方は、宇都宮内科クリニックまでお気軽にご来院ください。